投資を行うにあたって、わかりにくいと感じるのが手数料です。
どんなコスト(手数料)がかかって、拠出(投資)したお金にどんな手数料がかかってどれだけ運用に廻されているのか把握していないという方も、意外と多いと思います。
できるだけシンプルにその辺りをお伝えできたらいいなと思います。
海外投資 運用期間中にかかる手数料は主に3種類
そもそもの話ですが、
投資家が拠出した資金を運用しているのは、振り込んだ先の保険会社ではなく、その先の「ファンド」が行なっています。
【参考】ファンドとは?
- 投資を目的として集められた資金
- 集められた資金を運用する会社あるいは集団
のことを、一般的に「ファンド」と言います。
最近、つみたてNISAを通じて買っている人も多い「投資信託」もファンドです。
デジタル大辞泉でファンドを調べると
投資家から集められた資金を専門の委託会社(運用会社)が運用し、その成果を出資額に応じて投資家に還元するもの。元本保証はなく、リスクもリターンも投資家に帰属する。
と書かれています。
海外積み立て投資をするに当たって係る手数料は、ほとんどのところで以下の3種類です。
- プラン管理手数料
- ファンド管理手数料
- 口座管理手数料
この3種類の他には、解約(特に早期解約のとき)にかかる解約手数料、運用委託手数料や適用するファンドをチェンジするときにかかるファンド変更手数料などがあります。
ファンド変更手数料については、年間◯回までは無料としているところも多く、インベスターズトラストのエボリューションでは年間15回まで無料で、16回目からは手数料がかかりますがその率や額はパンフレットに記載されておらず、問い合わせる必要があります。(が、16回以上も変更しないですよね、通常は)
また、カードで拠出する場合にカード手数料がかかることもありますので、確認しておいた方がよさそうですね。
1.プラン管理手数料
プラン管理手数料とは資産を管理している銀行に支払う手数料で、〇ドル/月といった固定でかかることが多いものです。
例えば、
インベスターズトラストのエボリューションなら、プラン管理手数料は 毎月7ドル です。
RL360も同じ額です。
エボリューション | RL360 | |
プラン管理手数料 | 毎月7ドル (年間84ドル) |
毎月7ドル (年間84ドル) |
2.ファンド管理手数料
ファンド管理手数料とは、投資家が資金を振り込んだ保険会社と、保険会社を通じてファンドに払うものです。(名称は商品によってさまざまです)
総資産あるいは元本にたいして、一定の%が徴収されることがほとんどです。
例えば、インベスターズトラストのエボリューションなら、ファンド管理手数料(ストラクチャー手数料)は、ファンド残高(時価総額) x 0.125%/月 です。
また、RL360は、信託報酬額としてIFAによって異なりますが、だいたい 時価総額 × 0.25~0.375%が四半期(3ヶ月)ごとにかかります。
エボリューション | RL360 | |
ファンド管理手数料 | 毎月0.125% (年間1.5%) |
3ヶ月ごとに0.25〜0.375% (年間1〜1.5%) |
3.口座管理手数料
口座管理手数料とは保険会社の口座維持にかかるもので、事業維持のために払うものと考えてよいですね。
例えば、インベスターズトラストのエボリューションなら、口座管理手数料にあたる年間管理手数料は、1年目から10年目までは1.9%/年、11年目以降は 0.35%/年 です。
RL360は、初期口座の時価総額 × 0.5%が毎月(つまり年6%)、投資口座の時価総額 x 0.125%(つまり年1.5%)が毎月かかります。
エボリューション | RL360 | |
口座管理手数料 (25年積み立てした場合) |
1〜10年目:1.9%/年 11〜25年目:0.35%/年 |
1〜2年目:6% 3〜25年目:1.5% |
例えばインベスターズトラストのエボリューションの場合、
- ストラクチャー手数料が月0.125% (年 1.5%)
- 年間手数料が10年目まで1.9%
かかるので、最低でも年利回り3.4% 以上でないと、利益は出ないことになります。(これにプラン管理手数料が年間84ドルかかります。月間の拠出額(積立額)が小さいとその割合は大きくなります。)
積み立て投資をする場合は、5年や10年ではなく最低でも20年はやり切るつもりでないと、なんだかな〜・・・ という結果になりやすいです。
とは言っても、エボリューションは積み立て投資の中では手数料は安い方です。
なお、わかりやすくするためにエボリューションとRL360を比較していますが、どちらかが有利でどちらかがダメという意図はありません。
ちなみに、初期口座とは? という方は、下の記事もご参考になさってください。 途中解約はいつでもできます。できますが、相当な手数料がかかってしまうので大きなダメージとなります。積立て商品は満期まで滞りなく積立を完遂することを前提に設計されているので、出来るだけ途中で引き出したり ... 続きを見る
初期口座とは?積立て投資で口座が分かれている商品について注意すべきこと
ボーナスの役割と長期積み立て投資の心得
長期積み立て投資には大抵の場合、ボーナスがあります。
「ある手数料が高いとされる商品」では、紹介者から「他の商品に比べてボーナスが高いので有利ですよ!」と案内を受けることがあります。
でも、
ボーナスは高額な手数料を補完するためにある
といった認識でいるべきです。
そもそも、ボーナスの原資は契約者自身が拠出したお金です。
そして、ボーナスをもらうためにはさまざまな条件がありますので、そちらも確認しておいた方がよいですね。
長期積み立ては、始めた当初は無理なく払えると思っても、状況は変わるものです。
仮に、25年も積み立てるとしたら、25歳で始めて満期は50歳ですもんね。
その間に、結婚や出産、リストラや転職、病気などがあるかもしれません。
なので、
右肩上がりに増えていくエクセルで作ったグラフや、「25年もすれば1億貯まりますよ!」なんていう甘い言葉に乗ってしまわないよう、よく考えて始めてください。
ただ、最初の決意通りに満期までしっかりと続ければ、手数料が多少高い商品でも結構な結果となるはずです!
私の周りでも、12〜3年はずっと赤字だったけどようやく利益が乗ってきた! という方もいます。
長期でやれば、ほとんどの場合、それなりの結果を得ることが可能だと思います。
参考までに・・・
サンライフのビクトリーやFTライフのリージェントプレミアはエボリューションやRL360のような投資性商品と違って、手数料が公表されていませんので、「非保証部分の算出根拠は?」などの質問にお答えすることができません。